【フランス】ロックダウン解除に向けたゾーニング【COVID-19】
フランスでは外出制限の解除に向けた動きが少しずつ進んでおり、4月30日には県ごとのゾーン分け(赤、オレンジ、緑)が発表されました。今回はこれがどういうことなのかについてお話したいと思います。
ゾーンの違い
ということで、まずはそれぞれのゾーンで何が違うのかについてお話します。ここではLe Figaroというフランスの大手新聞社の記事を参考にしていきたいと思います。また、制限例の解除については以前の記事も参考にしていただければと思います。
なお、これらのゾーン分けは「コロナウイルスの疑いで救急外来を受診する患者の割合」「病床の使用率」「ウイルス検査やクラスター追跡の体制の整備状況」の3つの基準によって定められているようです。
ここでは、Le Figaroの記事で紹介されている「ゾーンの違いはどういう意味を持つか」という項目を引用します。
Dans les départements en vert, une moindre présence du virus permettra d'organiser un déconfinement plus large, avec notamment l'ouverture des crèches, des parcs et jardins, des «petits musées» et de certains sites naturels, ainsi que la reprise du collège. Dans ceux classés rouge, ils resteront fermés, tout comme pourront l'être «certains commerces» ou «lieux extérieurs», a précisé le ministre de la Santé Olivier Véran. Les écoles primaires rouvriront à partir du 11 mai, quelle que soit la couleur.
Les territoires classés orange ne présentent qu'un seul des deux critères, la circulation active du virus ou les capacités en réanimation. Ces départements peuvent basculer d'un côté comme de l'autre d'ici le 7 mai.
Le Figaro
日本語に訳してみると、「ウイルスによる影響が比較的少ない緑のゾーンにある県は、より踏み込んだ外出制限の解除を行うことができる。具体的には、保育園や中学校、公園、庭園、"小規模な美術館・博物館"、自然保護区の再開が上げられる。ウイルスによる影響が大きい赤のゾーンにある県では、これらの閉鎖は引き続き続く事となる。いずれのゾーンであるにせよ、小学校は5月11日から再開することとなる」といった内容になります。
また、オレンジ色のゾーンは現時点では上記の基準のうち、「コロナウイルスの疑いで救急外来を受診する患者の割合」「病床の使用率」のいずれか1つの観点で影響が大きいと判断されている地域です。これらの県は、5月7日までに赤あるいは緑のいずれかのゾーンに分類されるようです。
引用元の記事を参照しますと、概ねフランスの北東部が赤のゾーン、南西部が緑のゾーンとなっています。僕の今いるパリ近郊の県は、全て赤のゾーンに分類されています。
ゾーン分けの変化について
続いて、ゾーン分けの変化についてお話したいと思います。このゾーン分けは、当初4月30日に発表されましたが、5月1日に早速修正が行われています。本来5月1日はメーデーの祝日なのですが、それでも更新されているということで休日返上で作業が行われているものと見られます。
追記:5月2日も更新されました。毎日更新されるかもしれません。以下フランス政府のページのActivité Épidémiqueというタブから確認することができます。

また、5月7日には5月11日の外出制限解除に向けた確定版のゾーニングが発表されるということで、今後少なくとも1回はゾーン分けの修正が行われます。さらに、4月30日の演説にて、フィリップ首相は毎週状況を確認しながら段階的に制限解除を進めていくということを明言していましたので、このゾーン分けはおそらく毎週更新されていくのではないかと考えています。このブログでも随時更新していければと考えています!



※5月5日追記:ゾーンごとの違い
フランス政府のTwitterを確認したところ、どのような施設が開くのか、ゾーンごとの違いはあるのか、次の判断はいつなのかについての一覧表が上がっていたのでそれについて解説します。
ただし、これらはあくまで国が定めた基準であり、県ごと・自治体ごとに対応が異なる可能性もあります。
5月11日以降全土で再開されるもの/立ち入れる場所
- 図書館
- 小さな美術館・博物館
- 森
- お墓参り
森の中での散歩やお墓参りなどは今後解禁されるようです。また、研究活動などに必須の図書館や小規模の博物館なども再開されます。
5月11日以降、緑のゾーンのみで再開されるもの
- 公園と庭園
緑のゾーンと赤のゾーンでの差は公園や庭園が開放されるかされないかという違いでしかないようです。
5月11日以降も引き続き閉鎖されるもの
これらについては6月2日以降に再開/立ち入り可能とすることが予定されており、5月末に最終的な判断が下される模様です。
- 映画館
- 劇場
- ビーチと湖
- スポーツ施設・多目的ホール
- キャンプ場
- 結婚式/式典(緊急のものを除く)
- 礼拝所(立ち入りは可能だが礼拝は行われない)
- 葬式(20人以下の場合は引き続き認められる)
- 10人以上での集会
- 5000人以上のイベント(8月末まで禁止)
100km以下の移動については制限が大きく緩和されるとはいえ、引き続き閉鎖されるものは多いようです。
また、パリ市の小学校は11日以降教職員が現場に復帰し、14日以降生徒を受け入れるというニュースを見ました。1クラスあたりの人数制限を守るため、登校させられる生徒の数は15%程度になるとのことです(20minutesより)。