【ヨーロッパ旅行】フランス国内の列車を使いこなす!~ヨーロッパ鉄道解説その1~

2020-10-05

今回は僕の趣味の1つでもある旅行について、お話したいと思います。鉄道編その1ということで、まずはフランス国内の鉄道事情についてお話したいと思います。

フランスの鉄道ネットワーク

まずはネットワークについて。フランスにはSNCF(Société nationale des chemins de ferre)という国鉄があり、基本的にフランスの鉄道はこのSNCFによって運行・管理されていると考えて問題ありません。きっぷなどはアプリ(iPhone, Android)やウェブサイトで購入することができ、特にアプリで購入した場合はQRコードのデータがアプリ内に保管されるので、管理も非常に楽で便利です。

フランスの鉄道路線図
SNCFの公式サイトより

写真の通り、非常に細かいネットワークが張り巡らされており、結構便利です。ざっくり分けると

  • TGV (train à grande vitesse)
  • Intercités
  • TER (Transport express régional)

の3つの種別があります。いずれも2等車と1等車が用意されており、TGVにはBar車両が用意されています。昔のTGVには食堂車などもあったようですが、列車の高速化とともに近年は設備が簡素になっています。日本ほど時間に正確ではありませんが、それなりに時間通り運行されていると思います。なお、発車時刻の20分前にならないと発着ホームがわからない場合があるので、注意が必要です(特にパリ・リヨン駅などの大きな駅を利用する場合)。

TGV

ここからはそれぞれの種別の解説をします。まずはTGVで、これは日本の新幹線に相当。TGV専用線を走る区間と、それ以外の他の列車と共用で走る区間があり、TGV専用線では最高速度320km/hで走っています。リヨンやボルドーまでパリから2時間くらいで結んでおり、空港までのアクセス時間を考えるとフランス各地への最速アクセス手段となっています。平時であれば毎時1本以上運行される場合もあるなど、フランスの都市間の移動をする際の第一候補と言っていいでしょう。

TGV
パリ・モンパルナス駅に停車中のTGV

チケットは当日駅で購入することもできますが、基本的には早く買えば早く買うほど安くなります。飛行機などと同じようなシステムです。車内ではWi-Fiも使え、Barで販売している飲み物やおつまみなどの注文もWi-Fiを使えば座席から行えます。

なお、TGVは発車時刻の2分前に改札が閉められます。日本の新幹線のようにギリギリに乗ることはできないので、遅くとも10分前までには駅についておく必要があるでしょう。

Intercités

次にIntercitésで、こちらはTGVが走っていないところを結ぶ中長距離特急です。日本人の旅行者にはあまり馴染みがない場合もあるかとは思いますが、ボルドーからニースなど、地方都市同士を結んでいる路線はそれなりに便利かもしれません。なお、夜行列車もあり、パリからトゥールーズなどに行くことができますが、昼間のTGVを使ったほうが圧倒的に早くつくことができます。チケットの取り方などはTGVなどと一緒ですが、個人的な感想としては古い車両が来ることが多く、車内設備も結構古くあまり快適ではないというイメージがあります。Wi-Fiも使えませんでした。

TER

最後がTERで、こちらは地域間の急行電車。TERの中でも長距離のものはかなりの駅を飛ばしますが、近距離のものは多くの駅に停まるなど、停車駅などはバラバラです。ニースからモナコに行くときなど、近距離を移動する場合にはかなり役に立つと思います。きっぷの値段は原則いつ買っても一緒ですが、オフピーク料金が用意されているため、初心者にはどのきっぷを買えばいいのか非常にわかりにくいです。上で紹介したアプリ・サイトでチケットを買えばそれぞれの列車ごとに値段を表示してくれるので、非常にわかりやすいです。

TER
クレルモン・フェランの空港駅で撮ったTER

頻繁に使われる方は…

航空会社のマイレージシステムのように、SNCFにも頻繁に使う顧客を優遇する、Voyageurというプログラムがあります。会員登録なども無料なので、フランスに住んでいる方はとりあえず登録しておくといいでしょう

チケット購入金額1ユーロごとに1ポイントが加算され、累計800ポイント、または1年以内に20回の利用でワンランク上のステータスに、累計2200ポイントで上から2番目のステータスに、累計3500ポイントで最上級のステータスになることができるようです。なかなかハードルは高いですが、上から2番めのステータスまで行くと主要駅のラウンジなども使えるようになるようです。

そこまで到達できない、という場合でもチケットの割引などはすべてのステータスであるようなので、在住者であればおすすめです。

Voyageur
実際の券面。アプリに取り込むことができるので、最近は持ち歩いてません。

27歳以下であれば…

もしあなたが27歳以下で、年に数回フランスの鉄道を使うのであれば、間違いなくCarte jeuneを買ったほうがいいです。Carte jeuneとはSNCFが若者向けに売り出しているパスで、年間50ユーロで買うことができます。フランス国内のすべてのチケットが3割引になるほか、出発間際の割引国際列車の25%割引変更・払い戻し手数料の優遇など、かなり手厚い特典が用意されています。割引がかなり手厚いので、4, 5回ほど乗れば軽々と50ユーロ分の割引を得ることができるでしょう。

オンラインで買うことができる他、主要駅の券売機でも買うことができます。オンラインで購入した場合も駅の券売機で受け取る必要があると思うので、駅の券売機で買うのが手っ取り早いかと思います。発券した後、友人の窓口に写真とともに持っていけば完了です。有効期間開始日は選べるので、最初に電車に乗る日にすればいいでしょう。

なお、発券後のCarte jeuneはアプリに登録することができ、事前に登録しておけば検札の際に提示しなくて済むようになる場合もあります。頻繁に使うという方は登録しておくことをおすすめします。