【パリ・サンジェルマン】リスボンでのCLに伴うパリでの交通規制
3週間前には最高気温が40度を超えていましたが、8月下旬にも関わらず明日の最高気温は24度、最低気温は13度という予報が出ていました。内陸かつ空気が乾燥しているからなのか、朝晩の気温の変化も激しいですし、非常に暑かったと思ったら次の日は涼しい、なんてこともあり、東京との違いに悩まされます。
議論を巻き起こし続けるサッカーチーム
さて、今日はサッカーの話を少ししていこうと思います。フランスのプロサッカーリーグの最高峰、リーグ・アンに所属しているパリ・サンジェルマンは1970年に2つのチームが合併する形で結成され、1974年から現在に至るまでリーグ・アンに在籍し続けています。現在はフランス国内で圧倒的な存在感を示しており、ライバル意識の強いマルセイユを除いたフランス全土にファンがいると言われています。ブラジル代表のネイマールやフランス代表の注目の若手、キリアン・エムバペなどスター選手も多数在籍し、現時点の実力・人気共にフランスNo.1クラブといっても問題ないでしょう。パリ西部、元々城壁があった部分のすぐ外側にあるLe Parc des Princes (ル・パルク・デ・プランス) を本拠地としています。
結成以来50年の間、様々な物議を醸してきたチームのようですが、正直言って海外サッカーにはあまり詳しくないですし、ここでは細かい話は割愛します。要点として、
- パリにある
- 現時点で実力・人気共にフランスNo.1
- 熱狂的なファンが非常に多い
といったところだけ抑えておけば十分です。

熱狂的なファンたちの存在
さて、今回なぜこんな話を始めたかというと、在留届を提出している在フランス日本国大使館からこんな(おっかない)メールが来たから。
「8月18日のUEFAチャンピオンズリーグ準決勝の際、パリ・サンジェルマンが初の決勝進出を決めたことを祝う数多くのファンが凱旋門やシャンゼリゼ通りに集結し、花火を打ち上げ、車両の上によじ登るなどの行為を行ったことから、車両が通行できない状況となり、警察の機動隊が出動して集会を解散させる事態となりました。また、パリでは、凱旋門やシャンゼリゼ通りを含む多くの場所でマスク着用が義務付けられていますが、ほとんどのファンがマスクを着用していなかったことも問題視されています。」
「パリ警視庁は、明日8月23日(日) 21 :00 (フランス時間) から開催されるサッカー・UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦(パリ・サンジェルマン対バイエルン・ミュンヘン)に合わせ、ファンの集結・暴徒化による混乱やコロナウイルス感染拡大予防のため、3000人規模の警察官・兵士を動員し、以下のような治安措置をとる旨発表しました。」
- シャンゼリゼ通り及びLe Parc des Princes (16区、パリ・サンジェルマンの本拠地スタジアム)周辺でのマスク着用義務範囲の拡大(パリ警視庁プレス・コミュニケ地図参照):8月23日(日) 8時から25日(火) 8時まで
- 上記地区や、試合をテレビ中継するパリ市内バーなどでのマスク着用義務取り締まり強化
- 暴力行為防止のための警戒態勢強化及びパリ・サンジェルマンが勝利した際の祝福の集まりを試合終了後2時間までに制限
- シャンゼリゼ通りの車両通行禁止(徒歩及び自転車による通行のみ可):23日(日) 21時以降
- シャンゼリゼ通り沿い及び周辺の地下鉄17駅の閉鎖:23日(日) 22時以降 (パリ警視庁プレス・コミュニケ及びRATPホームページに駅名記載)

今回、UEFAチャンピオンズリーグの決勝に初めてパリ・サンジェルマンが進出したということで、準決勝勝利後からお祭り騒ぎ。現在住んでいるパリ市内のアパートの近くの道路でも勝利を祝福し、クラクションを何度も鳴らしながら走っていく車がたくさんいたのがわかりました。試合終了後の23時頃だったので、非常にいい迷惑です。
ただし、これはまだかわいい方。日本大使館からのメールを見れば分かる通り、シャンゼリゼ通りではお祭り騒ぎとなっていたようで、Twitterにその様子の動画が上がっていました。
Rassemblements et fumigènes sur l'avenue du Parc des Princes à Paris, via @lemondefr pic.twitter.com/QBmaLLWKLl
— Maxime Lemaitre (@MaximeLema) 2020年8月18日
正直に言って、まちなかでいきなりこのようなお祭り騒ぎになるなんて今の日本では考えられないと思います。が、ところ変われば常識も変わる。フランスではこのくらい序の口といったところのようで、フランスがワールドカップで優勝した2018年はこれよりもすごいお祭り騒ぎになっていたようです。
これらのお祭り騒ぎのポイントは、試合会場がパリではないということ。前回のワールドカップはロシアでの開催ですし、今回のUEFAチャンピオンズリーグはポルトガル・リスボンでの開催です。今回は新型コロナウイルス対策のため、パブリックビューイングも行われていなかったようですが、それでもこのような騒ぎになっていることにはただただ驚かされます。
ただし、今はまだ新型コロナウイルスの感染が収まっていません。シャンゼリゼ通りでは感染拡大を抑えるため、マスクの着用が義務付けられていますが、駆けつけたファンの大半がマスクを着用していなかったようで、パリ警視庁はカンカンに怒っているようです。そもそもファン同士の集会を望んではいないようですが、おそらくほっておけばファン同士は勝手に集まってしまうと半ばあきらめているのでしょう。パリ警視庁は先述の治安措置に合わせて20000枚のマスクの配布なども計画しているようで、新規感染者が増え続ける中何が何でもこのゲリラ的集会を新型コロナウイルス感染のクラスターにさせまいとする意気込みを感じます。
市長は当日現地で観戦
一方でこちらの記事によればパリ市長とフランスの教育・青年・スポーツ省の大臣が23日夜の試合をリスボンで観戦するとのこと。国や市をあげてパリ・サンジェルマンをサポートしているということを示したいんだろうと思いますが、無観客での開催となっており、観客同士の集会も自粛するよう呼びかけられている中でフランスやパリ市を代表する形で試合観戦を行うことは物議を醸しそうな予感もします。特に、パリ市長がパブリックビューイングの開催を新型コロナウイルスの感染拡大を理由に拒否していることもあり、一部のサポーターの不満が爆発するのではないかと懸念しています。
ひとまず、結果がどうであれ自分の身の回りで大事に至らないことを願うばかりです。