【ジヴェルニー訪問記】パリからわずか1時間!モネの睡蓮見に行ってみた
相変わらずフランスはバカンス真っ只中。コロナウイルスの新規感染者数は外出制限解除後最多のペースですが、フランス人はバカンスを満喫している真っ最中です。パリはいつもよりもかなり人が少なく、やっていないお店も多いです。
ヨーロッパ内での移動は自由になっていますが、突然のロックダウンや移動制限がかかる可能性も否定しきれないので、当面は原則フランス語圏にとどまっていようかなと考えています(英語もわかりますけど、イギリスは突然フランスからの入国に対しての自主隔離免除を撤廃しましたからね…)。
モネの家までの行き方・注意事項
さて、本日はモネの睡蓮を見に行ってきました、という記事をお届けします。睡蓮はモネの晩年の傑作。作品自体は「睡蓮を展示するために作られた」とも言われるパリ・オランジュリー美術館に展示されています。今回は、その睡蓮の絵のモデルとなった庭園があるジヴェルニー (Giverny)というまちに行ってきました。
パリから北西約70km、セーヌ川沿いの小さな町ですが、クロード・モネは43歳のときにこの街に移り住みました。この庭園の中にある池は当時掘られたもので、睡蓮もその際に植えられたようです。
印象派の絵はどちらかというと好きですが、そこまで大ファンというわけではありません。そんな僕が突如ジヴェルニーに行くことにしたのはこちらの記事を見つけたから。
「今年の花の色づきは「かつてない美しさ」とのこと。連日40度近い猛暑に見舞われて池の水温が上昇したことで、熱帯由来の睡蓮の生育に最適の環境が整った」と書かれていたため、パリに住んでいるタイミングで見に行かないなんてことはありえない、と行くことを即決。この記事を見つけたのが昼前だったのですが、予報によれば天気もいい感じ。日程的にも他に行ける日があまりなさそうなので、急遽予約を取って行くことにしました。
注意が必要なのは入場券の買い方。以前は直接現地でも購入できたようなのですが、現在は新型コロナウイルスの流行に伴い入場者数を制限しているため、事前予約が必須となっています。平日の午前11時頃にチェックしたタイミングでは12:10、16:30、16:50、17:10の4つの予約枠のみ空きがあったので、間に合う時間で最も早い時間帯の16:30の予約を取りました。実際に現地に行ったときは完売で入場を断られていた方もいたので、現地に出発する前に絶対に予約を取りましょう。予約自体はこちらのページからできます。

フランス語のみとなっていますが、難しいことはありません。日付を選ぶ→時間を選ぶ→枚数を選ぶ(大人10.50ユーロ、7歳から18歳まで6.50ユーロ、身体障害者の方5ユーロ)→その下にある2つのチェックボックス(保険の有無)で ”NON(不要)" を押す→ ”Finaliser l'achat" を押す→下半分の ”Nouveau Client ~" のところに電話番号、パスワード(2回同じもの)、国、メールアドレス、名字、名前、住所(2行分)、郵便番号、市町村を入力→2つあるチェックボックスにはチェックを入れずに "Valider" を押す→入場者の名字と名前を入力し、 "Aller au paiement" を押す→ クレジットカード番号を入力し、決済を完了する、という流れになっています。記事執筆中に翌日分を見てみたら、午前から午後まで10以上の予約枠に空きがあったので、前日に天気予報を見て行くかどうかを決めるといった形で問題ないと思います。買ったチケットはバーコードをスキャンできるようにしていれば印刷してもしなくてもどっちでも大丈夫です。
さて、入場チケットを手配できたら、次は交通手段。車だとパリから1時間程度でいけますし、電車でも比較的かんたんに行くことができます。サン・ラザール(Gare Saint Lazare)駅からRouen Rive Droite行きのTERが1時間に1本程度出ており、2つ目のVernon-Giverny駅で降りてからバス、あるいはプチトランで20分程度でジヴェルニーの街に着くことができます。電車に乗っている時間は45分程度なので、乗り継ぎも含めて1時間15分程度で行くことができます。

電車の切符はOui.sncfというサイトで買うことができます。片道15ユーロ程度です。その先のバスのチケットは現地払いですが、カードも使えます(片道5ユーロ)。
自分で諸々を手配するのがめんどくさい!という方はツアーに参加してしまうのもおすすめ。VELTRAやまっぷる、Klookなどで現地ツアーを申し込めば往復の送迎もついてくるので、気軽に観光に出かけることができます!こちらの利用も検討してみてください!
というわけで、昼前に慌てて出発を決めましたが13時半頃にはすでにジヴェルニーにつきました。
庭園の前に印象派美術館へ
とはいえ、予約できた庭園の入場時間は16時半だったので、3時間ほど時間があります。それまでの時間を利用し、印象派美術館を訪れました。

7番に記載のMaison et Jardins de Claude Monetがモネの家・庭園で3番に記されているのが印象派美術館、そこから左にあるEglise et Tombe de Claude Monetとあるのがモネのお墓のある教会です。
元々はアメリカの美術収集家が開いたアメリカンアート美術館があったようですが、2009年に印象派をテーマにした展示にリニューアル。それぞれの時期ごとに異なる企画展が開かれています。そこまで大きな美術館ではありませんでしたし、展示の解説もフランス語のみとなっているので少し大変でしたが、日本画家・平松礼二氏の作品や画材道具なども多数展示されており、非常に面白かったです。こちらは予約なしでも入れたので、モネの庭園の前後に行くのにおすすめ。レストランも併設されています。


16時半までまだ少し時間があったので、次にモネ家のお墓を見学。美術館から10分ほど西に歩いたところにあります。教会の右側の階段を上る途中、右手側3番目にあるので、Claude Monetという名前を探してみてください。


いよいよ睡蓮の庭園へ
それでもまだ時間があったので、カフェで飲み物を飲んで少し時間を潰し、16時20分頃に庭園の入口へ。順路を一方通行とできるよう、一般用入口を閉鎖し、団体客の入場を不可とした上で団体専用入口から全てのお客さんが入場するという形を取っているようでした。入口がややわかりにくいですが、近くまで行けば矢印も出ていますし、係員も立っているので教えてもらうこともできます。

入場してしばらく通路を進んでいくと、ついにかの有名な庭園が。入園してすぐのタイミングでちょうど曇ってしまったのですが、10分ほど待機していたら太陽光が差し込んできました。団体客がいないということもあり、場所を選べば気象条件がよくなるまでしばらく待つこともできます。記事で見たとおり睡蓮には花が咲いており、鮮やかな色合で非常に綺麗でした。


池のまわりを1周した後は道路を渡り、モネの家と前庭を見学。モネの家の中にはたくさんの作品やモネが収集していたと言われる浮世絵コレクションが展示されていますし、前庭には色とりどりの花が咲いています。それぞれの部屋の色使いにも特徴があり、見ていて非常に落ち着く空間です。



帰りも行きのバスが到着した場所から駅までのバスがあるのですが、運の悪いことに目の前でバスに発車されてしまい、1時間バスが無かったので5kmの道のりを歩いてみました。序盤はあまり歩道がなかったのですが、途中からはきちんと整備されていて非常に歩きやすかったです。とはいえ、歩いててそこまで面白いという感じでもなかったので、バスに乗ることをおすすめします。

以上、パリ近郊で半日でも十分に楽しめる小旅行でした。日本からだとなかなか行きにくい状況が続いていますが、もし行くことができるようになったら訪れることをおすすめします。