【再流行の兆し】屋内でのマスク義務化へ【COVID-19】
日本では梅雨が本気を出し、連日雨が続いているようですが、フランス・パリは晴れ続き。朝は涼しい日もありますが、最高気温が30度前後の日も多く、カンカンに照りつける太陽もあって暑い日が続いております。
日本の夏と違い、湿度がないので日陰にいる分にはそこまで暑さを感じないのですが、ほとんどの建物にエアコンがない(暖房のみ設置されている)ので、気温がさらに上がってくると非常に大変です。去年Vichyでフランス語の勉強をしていた時期に猛暑(Canicule)に襲われたので、その際の様子については後日記事を書こうと思います。
屋内の公共の場でマスクの着用が義務付けられる
さて、今日はタイトルにも書きました通り、フランス全土でマスクの着用が義務付けられることについてです。7月14日の革命記念日に行われたテレビのインタビューにおいて、マクロン大統領は「屋内の公共の場」で「マスクの着用を義務付ける」べきだと発言しました。
背景には再流行の兆しか
この中で、マクロン大統領は「例えば8月1日から全ての屋内の公共の場においてマスクの着用を義務付けたい。我々は公共交通機関の中でそれをすでに実践しているが、これを応用したい」といった旨の発言をしています。
背景にはフランス国内でCOVID-19の流行がなかなか収束しないどころか、逆に再流行しかねない兆候があることが挙げられると考えられます。ここ2週間前くらいから(おそらくバカンスに出ている職員がいる影響で)土日に感染者数のデータが更新されなくなりましたが、公式のデータによれば7月17日は1日で836件の新規感染者が確認されていますし、こちらの記事で紹介したとおり外出制限解除後も1日につき500-1500人程度の感染が確認されています。
また、新規の感染者数の他に、外出制限解除の第2段階(6月2日~)のころから「人口10万人あたりの感染者数」「患者1人あたりの再生産数」「集中治療室の病床の使用率」「PCR検査の陽性率」の4つの指標をフランスでは採用していますが、このうち2つ目の指標である再生産数が7月1日に1を超え、じわりじわりと上昇を続けています。

(僕の解釈が正しければ)この指標は感染者1人が何人の新規感染者を生み出すかということを意味しており、1を超えているということは1日あたりの新規感染者が徐々に増えていくことを意味しています。
コロナウイルスに対する勝利宣言まで行い、徐々に経済活動を再開しているフランスででは、多くの人々の警戒感が薄れていると感じます。ソーシャルディスタンスは徐々に意識されなくなってきていますし、マスクの着用がすでに義務付けられているところ(公共交通機関の車内、レストランの従業員など)でもマスクを適切に着用していない人も多いです。
個人的には感染者数は「然るべくして」増えているように思われるのですが、政府としてもこの状況に危機感を覚えており、なんとか事態を改善するべく公共の屋内空間においてマスクの着用を義務化するものと思われます。
一体どこでマスクの着用が義務化されるのか
マクロン大統領の演説の中では8月1日から、という言及がありましたが、フランス政府公式Twitterによれば7月20日月曜日から着用が義務化されるようです。
#COVID19 | À partir du lundi 20 juillet, le port du #masque devient obligatoire dans les lieux publics clos. Ensemble, faisons bloc contre le #Coronavirus.
— Gouvernement (@gouvernementFR) 2020年7月19日
Plus d’informations sur : https://t.co/X3FJxBgRoY pic.twitter.com/QWXcTZzA5Q
また、連帯保健省のTwitterでも同様の情報が更新されており、そちらではどのような場所でマスクの着用が義務化されるかについての詳細が記されていました。
こちらによると、
- コンファレンスセンター
- 劇場や映画館
- レストランやバー
- ホテルなど宿泊施設
- 教育機関
- 図書館
- 宗教施設
- 屋内運動施設
- 美術館
- 駅
- 山小屋
- 小売店、ショッピングセンター
- 役所
- 銀行
- 屋内市場
などでマスクの着用が義務化されると書かれており、すでにマスクの着用が義務化されている公共交通機関車内と合わせるとほぼ全ての場所でマスクの着用が義務化されると言っても過言ではありません。
地下鉄車内などを見ていると、電話をする際にわざわざマスクを外す人がいたり、外した状態で乗ってくる人がいたりと、マスクに慣れていない(今回の流行まではマスクをする習慣自体がなかったため)、きちんと着用していない人が多い中、今回の措置がどれだけの効果を持つのかは個人的には疑問ですが、明日以降マスク着用率がどの程度変化するのかは木になります。
店頭ポスターのデータ配布
(以前から実施されていたのかもしれませんが、)今回のニュースを見ている中でフランス政府がポスターのデータなどを配布しているページを見つけました。マスクの着用が義務となっていることを知らせるポスター、頻繁に手を洗うことを呼びかけるポスターなどのデータが配布されています。

また、一部の人(Les publics précaires、経済的に不安定な状況にある人々)には来週以降マスクの配布が行われるようです。
連日暑い日が続いているため、熱中症患者などが増えることも予想されますが、実際にはどうなるのでしょうか…。