【フランス】屋外でも着用が義務付けられるマスク【COVID-19】
日本でも猛暑が続いているようですが、パリでも7月31日に40度を記録し、その後8月上旬はずっと暑い日が続きました。エアコンがない建物・交通機関も非常に多く、暑い日は逃げ場があまりないため、非常に辛い日々を過ごしています。
再び増え始めた感染者数
さて、以前このブログでは、屋内でのマスク着用が義務付けられたというお話をしました。
こちらの措置は7月20日から適用され、実際に屋内でマスクをつけているフランス人も多く見られるようになってきました。違反が確認された場合は135ユーロの罰金が課されるそうなので、当然といえば当然ですが、ここまでしないとフランス人はマスクを着用しません。
当然のように、屋外に出た瞬間にマスクを外す人がほとんどです。暑い日が続いているため、マスクをするだけで息苦しく感じるほか、フランスではマスクをする習慣がなかったため、慣れていない人も多いのかもしれません。
このような背景もあってか、1日あたりの新規感染者数が再び増えてきております。ピーク時には1日8000人なんて日もありましたので、その水準には達していませんが、フランスの8月12日の新規感染者数は2524人となっており、一時期500人前後まで落ち着いたところから再び増えてきています。
屋外でのマスク着用を義務付けた一部の自治体
このようなフランス全土での再流行の兆しに加え、バカンスシーズン真っ只中ということもあってフランスでは地域間の移動が活発になっています。この事実を裏付けるように、猛暑真っ只中だった8月8日にはフランス全土の渋滞の総延長が820kmに達し、新記録を更新しました。
こうした中、多くのバカンス客などでにぎわう一部の自治体では、条例を通じて屋外でもマスクの着用を義務付けるところが現れています。在フランス日本国大使館からの配信によれば、こちらのページ(有志作成のGoogle mymap)で屋外でのマスク着用を義務付けている自治体を確認できます(注意:8月12日現在、更新がきちんと行われていないようなので、ここに載っている自治体以外でも同様の措置が取られている場合がありえます)。
また、こちらのページでも地図上に表示される形でマスクの着用が義務となっている自治体を確認することができます。緑はマルシェでマスクの着用が義務となっている自治体、オレンジが一部の道でもマスクの着用が義務となっている自治体、そして紫が全ての道でマスクの着用が義務となっている自治体です。
ブルターニュやコート・ダジュール地方の海沿いの街が多くなっていますが、内陸部でも「フランスで最も美しい村」に指定されている村などでこのような自治体が多くなっています。
市内全域でマスクの着用を義務付けているところもあれば中心市街地に限定しているところもありますし、時間帯限定での措置となっているところもあるようです。着用が義務付けられているエリアではその旨がポスターなどで掲示されている場合がほとんどです。

再度の外出制限と自由なら、私は自由がうれしい、というメッセージも付けられています。
ついにパリでも…
8月10日より、パリでも一部地域で屋外でのマスク着用が義務付けられました。セーヌ川沿いや屋外マルシェの他、多くの人で賑わう一部の通りが対象となっていますが、こちらの記事によれば歩行者のみが対象となっているようで、自転車やトロティネット(電動スクーター)に乗っている人は対象外となっているようです。

着用義務化に反発する人々
こうした中、一部の人々はマスクの着用義務化に反発しています。
こちらの記事で紹介されているアンケート結果によれば、85%のフランス人が屋内の公共空間でのマスク着用に好意的という結果が出ています。しかし、この動きに対する反発はSNS上などで徐々に目につくようになっています。反対している人は「マスクを着用したい人は勝手に着用すればいいが、それは我々には関係ない」としている他、マスクは「ウイルスは非常に小さく、マスクの穴よりも小さいため」「意味がない」上、「マスクでウイルスが増殖する可能性があり危険である」と主張しています。
この医学的な根拠に言及できるほどの知識はないですが、最近のフランスでは手作りの布マスクを着用している人も多く、これらの着用がウイルス対策という観点からどの程度効果的なのかについては疑問が残ります。
それでも、感染者が増え続けている現状、「何もしないよりはまし」といった状態なのでしょうか。個人としては、熱中症にも気をつけながらマスク着用が義務付けられていないところでも適宜マスクを着用していこうと考えています。