パリの大気汚染対策~メトロが格安でお得に乗り放題!~

2021-01-02

ゲリラ豪雨が降った後は少し落ち着きましたが、8月上旬はパリも暑い日が続きました。盆地に位置しているため、風が吹かないと空気が溜まってしまいます。

毎日発表されている大気汚染の情報

そんな背景もあってか、パリ近郊(イル・ド・フランス地方)ではAirparifというページでそれぞれの自治体の大気汚染情報が公開されています。

それぞれの自治体の郵便番号を打ち込むと大気汚染情報が出てきます。これらの情報はまちなかの電光掲示板でも時折見かけることがあります。

Airparif 大気汚染
試しにパリ1区で調べてみるとこんな感じ。それぞれの日毎の最も深刻な汚染物質と、汚染の程度が載っています。

大気汚染が深刻な場合には…

予想される大気汚染がある一定の基準を超えると、パリ警視庁はその対策として交通規制を実施する場合があります暑くて風が弱い日は汚染物質が溜まりやすくなってしまうため、この規制の対象となりやすいようです(実際去年の9月からパリにいますが、パリに来てからこの夏になって初めてこの措置の存在を知りました)。

例えば8月6日の場合だと、交通規制の対象はパリ市を環状に走る高速道路、A86(Peripherique)の内部。A86の走行は規制対象ではありませんでした。ざっくりと考えれば、パリ市内のほぼ全域が対象で、近隣の自治体は対象外と考えてしまって問題ないかと思います。

フランスの自動車には車の排気ガスレベルとしてCrit'Airというステッカーが貼られているのですが、それが0, 1, 2のいずれかの場合は走行可能で、3, 4, 5の場合には走行不可ということになりました。こちらの基準、汚染物質がどの程度排気ガスに含まれているかによって決められているようで、車両の大きさ(二輪、普通車、など)や燃料(ガソリンかディーゼルか)によって少しずつ基準が分かれています。電気自動車の場合はこれらの規制は適用されません。違反した場合には罰金(一般車両68ユーロ、重量車両135ユーロ)が科されるようです。

さらに、8月6日の場合には速度制限も設けられました。フランスの高速道路は最高で130km/h制限の区間があるのですが、それらの区間は110km/h制限に、元々110km/h制限の区間は90km/hに、そして元々80km/hないし90km/h制限となっている区間(国道・県道を含む)は70km/h制限に、それぞれ最高速度が引き下げられました

公共交通機関の利用を促すために

このような交通規制が行われる場合のは大気汚染が予想される場合ですので、少しでも大気汚染を緩和するべく公共交通機関の利用を促すため特別な乗車券が発売されることとなっているようです。

@Saint-Lazare

Saint-Lazare駅で7月31日に見かけたこちらの電光掲示板によれば、大気汚染に伴う交通規制の影響を受け、« forfait antipollution »という名前の切符が3.80ユーロで購入できるようになっているとのこと。イル・ド・フランス地方の公共交通機関全て(Orlyvalを除く)が1日乗り放題になるとのことで、通常の1日乗車券(Zone 1-5で有効なmoblis)が17.80ユーロすることを考えると圧倒的にお得です。パリ市内の移動(通常1.90ユーロ)であれば2回乗るだけで元が取れますし、さらに長距離の移動になれば1回乗るだけでも正規運賃より安くなります(例:シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内までは10.30ユーロ)。パリ在住者の場合は全てのゾーンが乗り放題となるNavigo(通常1年で827.20ユーロ、学生の場合1年で350ユーロ)を持っている方も多いと思いますので、あまり関係ないかもしれませんが旅行者の方でたまたまこの切符が発売される日に当たった場合は運がいいと思ってこちらの切符を使うようにしましょう。

ただし、先程も書いたとおりこの切符が発売されるのは暑い日が多いです。パリのメトロやバスは冷房がついてないことも多いですので、車内は非常に不快になっている場合もありえます。ご注意ください。

購入は簡単

この« forfait antipollution »が発売されている場合、券売機でも簡単に購入できるようになっています。英語に直してからでも見つけられると思いますが、あまり難しくないのでフランス語のままでもどうにかなってしまうかもしれません。画面の1番上に表示されている« Forfait Anti-pollution »を選択し、購入したい枚数を選んで現金・クレジットカードで決済をするだけ。非常に簡単です。