【ヨーロッパ】【ドライブ】スピード違反の払い方完全ガイド【体験談】

2020-10-05

フランスでは9月1日から学校や職場などでもマスクの着用が義務付けられ、パリ市で行われているマスクの着用義務化と合わせて四六時中マスクをつけないといけなくなりました。マスクを付けなれていない人が多く、息がしにくい、眼鏡が曇る、耳が痛いなど、様々な文句がフランス人から飛び交っています。

さて、今回はタイトルどおりスピード違反について。この夏にレンタカーで出かけたところまではよかったのですが、運悪くスピード違反で捕まってしまいました(ちなみに、その時の運転者は同乗者でした)。通知書を見ると色々細かいことがわかったので、そのあたりも含めて紹介していきたいと思います。

結論から言うと、フランスのスピード違反の反則金の支払いは非常に簡単です。書類の中からそれっぽいURLを見つけ、そこにアクセスし、それっぽい番号を入力してクレジットカード番号を入力すれば完了。5分もあれば支払えると思います。

嫌な予感…

ことの始まりは旅行の直後。クレジットカードの明細を確かめていると、身に覚えのない42ユーロの請求がありました。とりあえずカード会社に連絡してみようと思ったのですが、キリが良い金額だったこともあり、少し引っかかりが。そこで、請求先の住所を調べてみると、レンタカーを借りたAVISのグループ会社であることがわかりました。

カード番号自体はレンタカーを借りるときの保証金(200ユーロ)のために教えてありますから、彼らが42ユーロを僕に請求することはできます。返却したレンタカーに何らかの不備があり、追加料金を請求されたのかな、と思いました。しかし、それだったらAVISから請求内容についてのメールが届くはず

メールが届かなかったので、ひとまず借りるときにサインした書類をよく見てみると、42ユーロという文字列が目に止まります。よーく読んでみると、「警察からの違反金請求があった場合には情報提供手数料として42ユーロを請求します」と書いてあるじゃないですか…。このタイミングでスピード違反や駐車違反など、何らかの違反があったことを覚悟しました。

42ユーロの罰金
真ん中少し上に42ユーロと書いてあるのが見えます。

日本だと覆面パトカーなどで現場で取り締まりが行われることも多いですが、フランスだと取り締まりが行われたタイミングでは何もわからず、通知書が届いた時点で初めて違反があったことがわかります。ちなみに、住所が国外であろうと違反の通知書は送られてくるので、旅行者だからと油断しないようにしましょう。

予感は現実に

そんなこんなで1週間待った後、AVISからスピード違反の通知があったため、警察に情報提供を行ったこと、それに伴い手数料を請求したことを示すお手紙が届きました。この時点では詳細はわからなかったのですが、スピード違反があったことは確定です。「やっちまったか」という気持ち。

AVISの通知書
AVISから届いた42ユーロの請求書(一部モザイク処理をしています)

そこからさらに2週間後、ついに警察からの手紙が届きます。そこには取り締まりのシステムや支払い方法などについてまとめてありました。

スピード計測はすべて無人

フランスではスピード違反の取り締まりはオービスのような無人のレーダー計測器で行われているようです。通知書の裏面には « Vitesse retenue(換算値) = vitesse mesurée(計測値) - marge technique(技術的誤差) » という計算式が載っており、実際の計測値を調整した換算値が制限速度を超えているかどうかで取り締まりが行われるようです。

技術的誤差で引かれる値は、レーダー計測器が固定式か移動式かで異なります。固定式レーダーの場合は時速100kmまでは5 km/h、それを超える場合は測定値の5%となっています。移動式レーダーの場合はその倍で、時速100kmまでは10 km/h、それを超えると測定値の10%となっています。

計測地点でこれを超えていると無条件で違反切符が切られるみたいです。なので、フランス人の大半は制限速度をきっちり守って走っています。車間距離が近いことが多いので、制限速度で走っていると後ろから煽られているように感じることも多いですが、そういう場合はおそらくまれ。せっかちな人は勝手に追い抜いて行くので、自分のペースで走り続けるといいでしょう。

今回の違反の詳細

なお、今回は制限速度が110 km/hのところを118 km/h(換算値112 km/h)で走っていたとして切符を切られました。換算値はわずか2 km/hしか上回ってないにも関わらず切符を切られていることから、しっかりとしていることがわかると思います。お金が取れるってなるとフランス人はしっかりするんですね。

さて、違反通知が届いてしまったので、おとなしく違反金を払うこととしましょう。届いた封筒には3枚の紙が入っていました。1枚目にはどういった違反があったのかが記載されています。

違反の詳細
違反内容の通知書(一部モザイクで処理をしています)

こちらの紙には「違反をした日付」「場所」「違反車両のナンバー」「登録国」「車のメーカー」「レーダー計測器の詳細」などが書かれています。計測値など違反の詳細ももちろん掲載。

フランスの免許制度にも点数という概念はあるようで、制限時速50 km/h以上の場所で、20 km/h以下の違反をした場合には1点が引かれるようです。最初の持ち点は12点となっており、0点になるまでは運転ができるようなので、1点引かれただけではあまり影響はないかも。今回の僕の場合のように、海外の免許と国際運転免許証の組み合わせで運転をしていた場合の点数の扱いは少し気になるところです。

Wikipedia(フランス語)によれば、スピード違反で引かれる点数は最大6点(制限速度を50km以上オーバーした場合)。こうなると一発免停もあり得るようです。

なお、気になる違反金ですが、今回の場合は原則68ユーロ。ただし、通知書が発行されてから15日以内(インターネットなどでの支払いの場合は30日以内)に支払いを行う場合には45ユーロに減額されます。一方、45日以内に支払わないと180ユーロまで増額されます。余計なお金を払わないようにするためにもさっさと支払ったほうがいいですね。50 km/h以上のスピード違反の場合は罰金1800ユーロとなるようです。

支払いはまじで簡単

Notice de paiement
2枚目の紙は支払い方法について

2枚目の紙には支払い方法が記載されています。支払いは「インターネット」「アプリ」「電話(通話料有料)」「窓口」「小切手」などで行うことができます。今回は最も手軽なインターネットでの支払いを使いました。

こちらのページにアクセスし、送られてきた紙の真ん中左側に書かれている14桁+2桁の番号を入力すると、先に進めます。

違反金の支払い

Payer ou Consignerを押して先に進んでいくと、早速クレジットカードの詳細を入力する画面が現れます。

違反金の支払い2

こちらにクレジットカードの情報を入力すれば問題なく支払いは完了。日本のクレジットカードでも問題なく支払いができました

支払い自体は非常にスムーズで、難しいことは何一つありません。フランス語がわからなくても全然なんとかなります。支払うタイミングによって違反金の金額が変動するので、フランス語がわからないからといって、放置することのないようにしましょう

3枚目の紙は自身が運転者ではなかった場合に罰金を免除してもらうための申請書。盗難にあった場合や第三者に車を貸していた場合などに使います。返信用の封筒もついていますので、そちらに入れて送り返せばいいようですが、こちらの紙が必要になるケースは少ないと思います。

免除申請書

おわりに

以上、フランスでスピード違反を取られる基準や違反金の支払い方を体験談と共にお伝えしました。一番いいのは違反金を支払わないことだと思うので、スピード違反を取られないよう、フランスでは(そして他の国でも)制限速度をしっかりと守るようにしましょう。