【長期留学】【ヨーロッパ】フランスに留学をすると得られる特典~留学生も優遇を受けられる~

2020-10-05

今回はENPC※で使っている学生証についてお話したいと思います。

※ENPCって何?という人はプロフィールを参照してください

ENPCの中での使い道

身分証明証

まずはENPC内でどのように使えるかをお話します。第一にあげられるのが身分証明証としての役割。学生証なので当たり前なのですが、当然この役割を持ち合わせています。ENPCの場合は、構内に入る際に守衛の方に身分証を見せる必要があるので、その時は学生証を見せるということになります。

食堂での決済

次に、食堂での決済。学生証にクレジットカード現金からチャージすることができ、レジで学生証を係の方に渡せば、その残高から自動的に引き落とされます。なお、他の大学、グランゼコールの場合も同じなのかはわからないのですが、ENPCの学生はフランス政府からの補助金が出ているため、学食での支払いの際、1日1回2.40ユーロの補助金が出ています。フランスは外食をしようと思うと日本の倍以上の値段がすることがほとんどなので、値段のそこまで高くない学食、そしてこの補助金はお金のない学生の味方です。

また、メインのプレートには付け合せがついてくるのですが、この付け合せもおかわりが自由です。これも地味に嬉しいポイントです。レジの横にはフランスらしくパンが山積みになっており、これも無料で取ることができます。追加でサラダバーや小皿なども用意されているのですが、そちらに手を出さずともお腹いっぱい食べることができます。

ENPCの食堂
ある日のメニューの一例。この日は牛肉の煮込みに野菜とクスクスを付け合わせ。メインのプレートの選択肢は3~5種類程度は常に用意されており、ベジタリアンメニューなども用意されています。これで大体2.5ユーロくらい(補助金による割引後)。

図書館の利用者カード

図書館でも学生証は使えます。本の貸し出し、コピー機の利用、ワーキングスペースの使用等の際に使います。コピー機の利用に際しては、年度の始めに60ユーロ分の残高がそれぞれの人に与えられており、それを使い切ったらその都度クレジットカードでチャージをすることができます。

ENPCの外での使い道

個人的には、ENPCの外での学生証の効力にかなり驚かされました。

正確に言うとここからの話はENPCの学生のみならず、フランスまたはEU圏内に長期滞在している26歳未満の人であれば対象になるケースがほとんどです。なので、イギリスを除くヨーロッパに留学する人であればほとんど対象になると考えていいと思います。

入場割引資格の証明

まず、博物館・美術館や主要観光スポットへの入場。国立の美術館や有名観光地など、多くの場所で入場料が無料になります(例外多数あり)。

  • ルーブル美術館
  • オルセー美術館
  • オランジュリー美術館
  • ポンピドゥー・センター
  • 凱旋門
  • ヴェルサイユ宮殿
  • サント・シャペル
  • パンテオン
  • コンシェルジュリー
  • ノートルダム大聖堂(火事の影響で休業中)
  • モン・サン・ミッシェル
  • その他多数…

もちろん、無料とならないところでも学生割引があったりするので、多くの場所で非常にお得です。フランスの観光地での割引は、【18歳未満、65歳以上、EU圏内に長期滞在している18歳以上26歳未満】が対象となっていることがほとんどなので、日本人学生の場合は残念ながら対象外となっていることがほとんどです。ですのでヨーロッパで留学をする、という方はこれらの特典を活かさない手はないでしょう。

凱旋門
入場料が13ユーロの凱旋門も、学生証の提示で無料。
モン・サン・ミッシェル
日本人に人気のモン・サン・ミッシェル(パリから車で約4時間)も無料に(本来は11ユーロ)

なお、入場の仕方は場所によって違います。ルーブル美術館などはチケット売り場に行かず、直接入場口に行って学生証を提示すればOKでしたが、凱旋門の場合は他の方に混じってチケット売り場に並び、無料チケットを発券するように言われました。ヴェルサイユ宮殿など、場所によっては時間指定のチケット(無料)をオンラインで発券できる場合もありますし、入場方法については事前に確認しておくことを強くおすすめします。わからない場合は、当日係員の方に聞きましょう。

乗り放題パスの割引発行証明

次に、パリ市内の公共交通機関のパスが割引で発行できるようになります。パリ及び近郊の地下鉄やバスなどの料金はゾーン制と呼ばれるシステムを採用しており、パリ市内がゾーン1、そしてそこから離れていくごとにゾーン2, 3…というふうに大きくなり、ゾーン5まで用意されています。

定期券なども用意されており、隣り合う2つのゾーン(1-2, 2-3など)かすべてのゾーン (1-5)で有効なものを選ぶことができます。ENPCはパリの少し郊外にあり、最寄り駅はゾーン4に含まれているので、ゾーン1-5のパスを持っています。なお、このパスがあればそのゾーン内の地下鉄、近郊電車、バス、トラムなどすべてが乗り放題です。歩ける距離だけどバスが来たからとりあえず乗る、などという選択もでき、非常に便利です。

このゾーン1-5までの定期券、通常は1年間で827.20ユーロ(月75.2ユーロ、11ヶ月分の値段で1年パスを購入可能)するのですが、学生の場合はなんと半額以下の350ユーロで購入することができます(navigo imagine R)。ENPCの場合、最寄り駅からパリ市内までの往復だけでも8ユーロ以上かかってしまうので、月に数回パリ市内に行くことがあればそれだけで元を取ることができます。

ゾーン5まで含まれるとかなり広範囲で、パリの2つの空港(シャルル・ド・ゴール、オルリー)やヴェルサイユ、パリのディズニーランドまで、かなりのところが範囲内となっております。毎回きっぷを買う手間も省けるので、非常に便利です。

navigo
実際のnavigoの券面。裏面に顔写真がついている。Samsung製スマホの場合はスマホでタッチして改札を通れるらしい…

もう一つ、フランス国鉄SNCFやフランスの航空会社、エールフランスの学割パス(Carte jeune)を購入することができます。これについてはヨーロッパでの旅行と合わせてまた別の記事で詳しく紹介したいと思います。

非常に優遇されているフランスの学生

以上、フランスに来てから利用した主な特典をご紹介しました。日本でも学生証は似たような役割を果たすことは多いと思いますが、フランスではより機能が統合されているという印象を受けました。また、学校の外で受けられる文化施設や鉄道パスの割引特典は日本のそれよりも割引率が高い印象を受けます。

残念ながらビザの発行を伴う長期での滞在でないとこれらの特典を使うことはできませんが、もし滞在されることがあればこれらを使い倒されることをおすすめします。