【フランス】【コロナ】2021年3月末状況まとめ

2021-04-05

今回は、2021年3月末時点での新型コロナウイルスの状況まとめをしておきたいと思います。

一向に減らない感染者数

Santé publique Franceより

感染状況は相変わらず悪化しています。英国などで発見された感染力の強い変異株の影響で、感染者数が減る気配は一向に見えません。

2月18日には感染者の隔離期間を7日から10日に変更した他、夜間外出制限や大型商業施設の閉鎖、及びそのコントロールを強化するなど、感染者数を減らすためのあらゆる措置を強化しましたが、あまり効果は出ませんでした。また、2月25日には1日あたりの感染者が3万人を超え、2回目の外出制限が行われた2020年11月以来の水準となりました。

このような状況を受け、既存の夜間外出制限に加え、イル・ド・フランスの8県、オー・ド・フランスの5県、アルプ・マリティム県、セーヌ・マリティム県、ウール県の計16県で3月19日(金)から4週間の外出制限(ロックダウン)が導入されました。そして、3月31日のマクロン大統領の会見を受け、この外出制限がフランス本土のすべての県に拡大されることとなりました。変異株の登場を受けて、3回目の外出制限を避けることができなかったということになります。

過去2回の外出制限と比べると…

外出が認められる例外(生活必需品の買い物、散歩など)は引き続き存在します。2020年春の外出制限時はこの例外による外出でも1日1回1時間以内、自宅から1km圏内と厳しい制約がありましたが、今回はこの時間制限は撤廃され、距離に関しても自宅から10km圏内での外出は可能(ただし地域圏(Région)を超える移動は禁止)となるなど、幾分か緩和されています。また、日中の外出であれば外出理由の宣誓書がいらない点も変更点です。違反した場合の罰金は前回までと変わりません。初回135ユーロ(支払い遅延時は375ユーロ)、15日以内の再度の違反は200ユーロ(支払い遅延時は450ユーロ)、30日以内で3回目以上の違反の場合は3750ユーロとなり、この場合はさらに6ヶ月間の禁固刑が課されることとなります。

商業施設に関しては、2020年3月や11月の外出制限の際と同様、生活必需品を扱わない店はすべて閉鎖となります。ただし、今回は本、音楽については新たに生活必需品としてみなされることになりました。学校(保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校)は3週間休校となるそうです。

明るい話題も…

一方で、明るい話題もいくつかあります。3月12日にはオーストラリア、韓国、イスラエル、日本、ニュージーランド、英国、シンガポールを到着地又は出発地とする移動について条件が緩和され、出発前72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書の提示、症状のない旨の誓約書の提示、到着後7日間の自主隔離を条件に自由な移動が可能に。コロナ前のように気軽に、というわけにはいきませんが、少しはフランスへの渡航がしやすくなりました。

ロックダウン後は、文化施設の再開を進め、条件付きでテラスでのレストランの営業を許可する見通しが出ています。特にレストランは2020年の10月末から一度も営業を許可されていないので、フランス国民全員が再開を待ちわびていると言えるでしょう。今後の動向を引き続き中止していく必要がありそうです。

日本より先行しているワクチン接種

また、ワクチンの接種も進みはじめてあり、少しずつ明るい兆しも見え始めています。3月31日時点で1回目のワクチン接種が終わっているのが850万人、2回目の接種が終わっているのが300万人です(フランスの人口は約6700万人)。現時点では4月16日以降、60歳から70歳の人を対象とした1回目の予約受付を、5月15日以降、50歳から60歳の人を対象とした1回目の予約受付を、そして6月中旬以降、50歳未満のすべての人に対し予約受付を開始する予定です。