【留学】【奨学金】文系(といいつつ芸術系も応募できる)最高の奨学金

2020-10-05

以前、こちらの記事でフランス政府奨学金(理系)についてご紹介しました。こちらは僕自身も今回の留学にあたって支援していただいてる奨学金で、その支援内容の充実度は他の奨学金と比べても素晴らしいものがあります。

今回は、そのフランス政府奨学金の文系版について、理系との比較を通じて解説していきたいと思います。

応募可能な分野の違い

はじめに支給対象となる分野。理系の場合と文系の最も大きな違いはここです(当たり前)。

応募可能な分野は学士と修士・博士でやや異なります学士の場合は①政治学 ②国際関係 ③法学 ④経済学 ⑤経営・管理学 のみが対象となります。一方、修士・博士の場合は文化系各分野が対象とされており、以下の分野があげられています(※は高等教育機関に所属して行う場合に限定)。文化系・芸術系の幅広い分野が含まれており、神学など日本ではあまり馴染みの無いようなものも含まれます。

  1. 言語・文学
    • フランス文学
    • 翻訳・会議通訳
    • 言語学
    • フランス語教授法
    • 教育学
    • 哲学
  2. 法学
  3. 人文社会科学
    • 歴史学
    • 考古学
    • 地理学
    • 社会学
    • 人類学
    • 人口学
    • 神学
    • 心理学
    • 精神分析学
  4. 芸術・文化
    • アート・マネジメント
    • 美術史
    • 博物館学
    • 映画研究
    • 演劇研究
    • 音楽研究
    • 芸術系実技教育※
  5. 経済・政治
    • 政治学
    • 国際関係
    • 経済学
    • 経営・管理学
    • ジャーナリズム

個人的には文系の枠組みの中に芸術系が含まれているのが少し意外でした。

受けられる支援の違い

支給内容は理系とほとんど変わりがありません。毎月の奨学金(学士・修士は700ユーロ、博士は1060ユーロ)に加え、授業料やビザの申請料、寮の優先入寮などの支援も受けられます。ただし、募集要項を見る限り理系の場合には支給を受けられる往復の航空券の支給はないようです。また、理系の場合にあった研究実習での滞在は文系の場合は認められていません。

逆に、文系のみにある特別な支援内容として、パリ高等師範学校(ENS)の聴講生制度があげられます。成績優秀者2名のみとのことなので、給費生だからといって必ず受けられる特典ではないですが、2名に選ばれた場合には授業の聴講や図書館の利用が可能となるそうです。

選考プロセスにおける違い

選考プロセスにおける面接は原則フランス語で行われます。ただし、理系と同様で英語コースに留学する場合は面接を英語で行えるようですが、この場合でも最低限のフランス語力を証明する必要がある点は理系と違うので注意が必要です。

その他の応募に必要な書類や選考プロセスなどは概ね変わりませんが、評価方法に若干の差があるようです。文系の場合、最初の書類審査は経歴、留学計画、語学力の3つの側面から評価が行われ、いずれも数値化されるようです。面接も評価は留学の志望動機、語学力およびコミュニケーション能力、研究計画やキャリアプランの3つの側面が数値化されて評価されます。理系の場合はこのような数値化は応募要項には明記されていません。

細かい評価項目については応募要項に記載があるのでそちらを参照していただきたいですが、語学力の評価基準は応募分野によって異なること、フランスのヨーロッパ・外務省の優先分野(経済学、経営・管理学、法学、政治学、国際関係、現代文学、現代哲学)に該当する場合は1点の加点があることなどが特筆すべき事項としてあげられます。

これらの評価項目を眺めている限り、記載されている通りの語学要件を満たす必要こそありますが、その他の評価項目はかなりオーソドックスなものとなっています。今までの自分の経歴や自身の留学計画、将来の展望などをしっかりと話すことができるよう、書類・面接の準備をしっかりすることが給費生として採用される近道だと思います

まとめ

学部生でも分野次第では応募しやすいため、学士の場合はダブルディグリーのみ対象となっている理系よりも少しだけ応募しやすくなっている部分もありますが、語学要件はそれなりにハードルが高くなっています(特にフランス語で留学をする場合)。

それでも支援の内容は非常に充実しているため、フランスへの長期留学が決まっている場合は申し込まない理由はないと考えられます。来年以降の留学を考えている人は応募を検討されることをおすすめします。